2014/11/24
サンスター:6カ国の歯周病等に関する調査発表 歯周病可能性の人 日本がトップ
11月10日、サンスター株式会社は、「G・U・M」発売から25年を迎えるにあたり、6カ国20~69 歳の男女2,280人を対象に、世界のオーラルケア・歯周病事情に関する調査を実施、その調査の結果を公表した。それによれば、日本ではキスの習慣がないにも関わらず、口腔内細菌感染症である歯周病の可能性のある人が5人に1人で6カ国中最多であるという結果になりました。歯みがき時に使用するコップの管理には各国間で差があり、コップの共用が日本では浸透している半面、ドイツでは別々で管理しているという習慣の違いが顕著に現れました。また、各国での口臭に対する意識や予防に対する考え方の違いも浮き彫りになりました。
この結果について、神戸常盤大学の野村慶雄教授は、日本人は歯周病を疑わせる症状を自覚している人が多く、また6年ごとの歯科疾患実態調査でも成人の8割が口の中のどこかに歯周病を有しています。しかし、これは日本特有のものではなく日本人を含め世界で多くの人が感染している疾患です。それぞれの国において生活習慣に違いはありますが、その生活習慣の違いがその国の歯周病罹患と直接関係しているとは思えません。しかし、歯周病が世界的に最も多い感染症であり、全身への影響も明らかになった現在、原因である細菌を確実にコントロールすることを心がける必要があるようです。
さらにそれぞれについて、具体的な補足説明は以下とおり。
△神戸常盤大学 野村慶雄教授のコメント:生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、むし歯や歯周病の原因となる細菌はいません。それではそれらの細菌はどこから来るのでしょうか?同一家族のむし歯や歯周病の細菌について研究した結果、それらの細菌の遺伝子は同じものであり、明らかに家族間で伝播していることが明らかです。
歯みがき時に使用するコップの共有に関して聞いたところ、同居している人との共有をしているのは日本の32%が6カ国中最も高い結果となりました。一方で、コップが「いっしょ派」「べつべつ派」のみで比較したところ、日本は半数以上が「いっしょ派」であるのに対し、ドイツでは約9割が「べつべつ派」という結果となり、文化・習慣の違いが浮き彫りになりました。
日本ではハブラシを共有する習慣はありませんので、ハブラシから細菌が家族に移ることはありません。ハブラシは使ったあと水道の水流で付着したプラークや唾液を洗い流し、その後よく振って水分を除き乾燥させるのがいいでしょう。最近は保管用の紫外線滅菌器なども販売されていますので使ってみるのもいいでしょう。
【調査の方法】調査期間:2014年9月2日~17日、調査方法:インターネット調査(マクロミル)、調査対象:6カ国(日本、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、イギリス、スウェーデン)、20~69 歳の男女 各国 380 人。
【野村慶雄・神戸常盤大学・神戸常盤大学短期大学部教授】大阪大学歯学部卒業、岡山大学助教授(歯科保存学第二講座)、サンスター株式会社オーラルケア事業本部、サンスター歯科保健振興財団専務理事附属千里歯科診療所長、大阪大学歯学部臨床教授。